「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
ひーくんが連れてきてくれたのは、花畑がどこまでも広がっている公園だった。
「うわぁ、きれい……!」
一面に、空色の花でいっぱいだ。
まるで、雲ひとつない空の上をわたし達は歩いているみたい。
わたしは、スタッフさんのもらったパンフレットを確認する。
「ネモフィラっていうんだ……」
「そ。聞いたことないの?」
なぜかひーくんは、わたしがネモフィラを知らないことに驚いたようだ。
「ないかも……」
「花について詳しかったから、知ってるのかと思ってたけど違うのか……」
「花?」
「見てたじゃん」
もんもんと自分の記憶を探っていると、ピンとくるものがあった。
「あー……アンチューサのこと?」
ひーくんのお庭に咲いていた、美しい青色をしたアンチューサ。
かといいつつ、アンチューサのことも名前と花言葉を知っているだけで、花について特別詳しいといえば違う。
「うん。一応さ、ネモフィラもアンチューサと似た色してるから、気にいるかなって思ったんだけどな」