「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
「なあ百々葉」
「えっ? ひ、ひーくん……」
翌日、月曜日になって学校へ行って教室へ向かっていると、突然目の前にひーくんが立ちはだかってきた。
「お前……何かあったのか?」
険しい顔をして、わたしを見つめる。
思わず怖くなって、わたしは目に涙を溜めながら、後ずさりをした。
「え、特に何も……」
「今現在の話じゃないよ。過去」
「か、過去……?」
ひーくんの言葉が不思議に思い、急に涙が引っ込んだ。
わたしが首を傾げると、ひーくんがそっぽを向いて苦い顔をした。
「俺、気になってんだよ……。昨日の百々葉のこと。何もないで、ああなるなんてないだろ?」
「えっと、それは……」
「ああなるってことは、何か過去にあったんだろ?」
ひーくんに、悟られてしまった。
「ひーくん」
わたしは、重い口を開いた。
「ひーくんの言うとおりなの」
もう隠しようがない。
あの時から、京ちゃんのことを話そうと思ったけれどうまくタイミングが掴めなかった。
今、やっと掴めたんだ。
「それがね……」