「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ

遠い、遠い記憶だ。
わたしは、あの時のことをはっきりと今でも覚えている。


わたしが、3歳くらいだっただろうか。
お父さんがお母さんをいつも怒鳴りつけていて、お母さんはすすり泣いていて。

それが日常茶飯事だったから、ひとつひとつ覚えているわけじゃないんだけど、あの時のことはなぜか記憶に残っているのだ。



『ももは、だいじょうぶだよ。おねえちゃんたちがついてるから』



『みみ、ふさいでいいよ』



恵理奈と沙也加は、わたしの両脇にいてくれて、そう言ってくれていた。


しかし、わたしが3歳だったなると、そう言っている恵理奈と沙也加もまだ5歳と4歳だった。


恵理奈もがたがたと震えていて、沙也加の目は涙で真っ赤になっていた。


わたし達がこんな状況になったとしても、お父さんはお母さんを怒鳴り続け、収まることはなかった。




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