「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
「2年生はこっちに集まってくださーい!」
体育祭の実行委員の人の、叫び声が聞こえた。
「さ、行ってきなさい百々葉」
沙也加に背中をポンと押されて、わたしは集まる場所に行った。
人混みのせいで、わたしがちょっと進んだだけで沙也加の姿はあっという間に見えなくなった。
「百々葉、こっちこっち!」
少し離れた場所で、翠がわたしに手を振っている。
「翠!」
なんとか、翠とは合流できたがクラスで並ぶことになっているらしく、自分のクラスメイト達がなかなか見つからない。
「小鳥ー!」
「おーい、一条さん達ー!」
翠と一緒に辺りを見回すと、ひーくんと本田くんが一緒に手を振ってわたし達を呼んでいた。
「俺らのクラスの隣だから、こっちだよ!」
本田くんの指をさす方を見ると、確かにうちのクラスの学級委員を先頭に並んでいたのが見えた。
「ありがとう!」
「あっ、ありがとっ」
わたしと一緒に、翠もそそくさと並ぶ。
相変わらず、本田くんにちょっと構ってもらえただけで赤くなる翠は可愛い。