「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ
体育祭を終えて、わたし達は集合写真を撮ることになった。
「小鳥さん、前行ってもらっていいー? 背低い人はそうじゃないと、見えなくなっちゃうから!」
実行委員の子に、わたしはそう頼まれた。
これは仕方がない。
わたしは身長が151センチと小柄な方なので、後ろに行くと見えにくくなることは事実なんだ。
「うん、そうだよね!」
わたしは、前の列へと並んだ。
「一条さんは、あそこら辺がいいかな!」
「オッケー!」
翠は背が高いので、後ろの列へと行った。
「では撮るよー、はいチーズ!」
わたし達が写真を撮り終えて、次はひーくん達のクラスが写真を撮る。
その際に、ひーくんはこっちを向いて手を振っていたけれど、誰に向かって振っているのかは分からなかった。
それでも、知らない間にわずかな希望を抱いていたわたしはひーくんに手を振り返しておいた。