もう、秘密になんて出来ないっ！

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わたしの兄は、少しおかしい。

わたしよりも４つ上の兄は、とにかくわたしのことを溺愛している。

幼稚園時代、大きくなったら妹と結婚したいと周りの大人たちに言えば大人たちは皆んな微笑んだそうだ。

小学校時代の卒業文集に、将来は妹と結婚したいと書けば周りの大人たちは皆んな心配そうに兄を見ていたそうだ。

中学校時代の卒業文集に、妹の伴侶に相応しい男は俺しかいない！と書けばクラス中どころか学校中の生徒がドン引きしたそうだ。

高校時代の卒業文集に、妹と一生添い遂げると書けば校長を含めた教師たちから病院に行くように勧められたそうだ。

そして、２年前に大学生となった兄は実家から遠く離れた所にキャンパスがあるために泣く泣く(本当に本気で大号泣していた)わたしと離れひとり暮らしを始めた。

だがしかし。

兄はわたしと離れた時から束縛彼氏ならぬ超束縛兄と化し、１日中鳴り止まないメッセージアプリの通知音。

電話も毎日だし、週末になると必ず実家に帰ってきて終日わたしにべったり。

そんな兄の将来が色々と心配だが、兄がわたしへの溺愛を止めない限りわたし自身の将来も心配だった。

兄がいる限り、結婚はもとより彼氏すら出来ないんじゃ…。

わたしだって恋愛してみたい。

彼氏という存在の人とデートなんてしてみたいっ！

わたしだって＿＿＿＿。