もう、秘密になんて出来ないっ!
「えっと…、わたしの部屋は?」
「ここ」
お兄ちゃんが指差したのは15畳はゆうにありそうな広い寝室。
「え?いいの?こんな広い部屋ひとりで使って」
遠慮がちに言うも内心はウキウキだった。…が。
____ピンポーン。
「お、きたきた」
お兄ちゃんが妙に浮かれながら玄関に向かって行き、程なくして「失礼しまーーすっ!」と作業員さんらしき男性がふたり、半端なく大きいベッドのパーツを手際よくわたしの寝室になるだろう部屋に運ぶと、あっという間に組み立てて帰って行った。
「お、お兄ちゃん…?こ、このベッドは…?」
とても嫌な予感がする。
「どうだ?キングサイズのベッドだぞ。これなら余裕でふたり寝られるだろう?」
「ふたりってなに!?ふたりって!?」
「ん?俺とみあ以外に誰がいるんだよ」
お兄ちゃんはとても上機嫌。
賢太郎くんは啞然(あぜん)。
わたしは茫然自失。
「この家にはこれ以外のベッドは置かないから毎晩一緒に寝ような、みあ」
「「この、変態野郎っ!!!」
わたしも賢太郎くんの叫びが家中に響いたのだった。