もう、秘密になんて出来ないっ!
「やっぱり。みあの身長だと俺のシャツがワンピースのようになるね。ああ、なんて眩しいんだ」
「光悦至極(こうえつしごく)な表情すんなっ!何もしないって言ったじゃん!」
「…フッ」
「目、逸らしたっ!!やっぱり『クロ』だっ」
「それよりシャワー浴びておいで。そうしたら朝飯にしよう」
「っっ、言われなくても浴びてくるわよ!」
もう嫌だっ!!こんななら強引にでもひとり暮らしさせてくれるよう母さんのこと説得すべきだった。
ひとりで暮らした方がよっぽど平和で安全な毎日を送れたはず。
怒りがおさまらないまま浴室へ入り何気にシャンプーを確認すると、わたし好みの物がズラッと並べられていて頭を抱えた。