もう、秘密になんて出来ないっ!
「みーあ」
「へ?__きゃっ」
兄に名を呼ばれ、自分の世界から戻り、声のした方へと向くと目の前がフッと暗くなったかと思うと頬の辺りに感じた温かな感触。
「やきもち妬いてくれたのがすげぇ嬉しくて、我慢出来なかった」
何が起きたのか解らず目をパチクリしているわたしに、満面の笑みをその整った顔にたたえる兄。
ーーーーもしかして。
わたし、お兄ちゃんにキス、されたの?
キスされた方の頬にそっと手を添えて、じわじわと感情が押し寄せる。
「こっの、変態っ!!!」
押し寄せた感情が爆発して、わたしは兄の頬に平手打ちをかましたのであった。