もう、秘密になんて出来ないっ!
『知ってるっ!お兄ちゃん辛いもの大好きだもんねっ。今日は何時頃に帰ってくる?その時間に合わせて用意しておくよっ』
…あれ?
「…15時には必ず帰る」
『わかった!それじゃあ夕飯の支度はお兄ちゃんが帰ってきてから始めるね!午後からの講義も頑張ってね〜』
「みあ!そうじゃなくて、俺、みあのことがーーっ、」
プツッ__プー__プー___ッ。
「…切れたし」
もっとみあの声を聞いていたかった。
「…恋って、切ない」
ハァ。と、ため息を吐けば湧き上がる外野の女達。
「ちょっと!見た!?漣様の切なげに憂う横顔っ!!」
「ああっ、ため息をつくお姿もなんてお美しいのかしら」
「ちょっとそこどきなさいよっ!漣様のご尊顔が拝めないじゃないの!」
ぎゃーぎゃー騒いでうるさくてかなわない。
こうなったら午後の講義サボって一刻も早くみあが待つ家に帰ってしまおうか。
思い立ったら即行動。ーーーが。
「ハイ、そこまで」