もう、秘密になんて出来ないっ!

「みあ」

甘い声を同時に後ろから抱きしめられたのだ。

「っ、お兄ちゃん!?ちょっ、何やって…っ」

「みあが、目、合わせてくれないから」

「それはっ!と、とにかく離れてっ。他の人に見られでもしたら…っ」

「やだ」

やだとなっ!?

…ポーン。

エレベーターの扉が開いて急いで乗り込むも、今度は「壁ドン」状態に持ち込まれてしまった。

他に誰も載っていなかったのが何よりの幸いだ😌

「みあ、なんで兄ちゃんのほう見てくれないの?」

切なげにも悲しげにもとれる少し掠れた声が、わたしの鼓動を艶やかに刺激してる。

心臓が煩過(うるさす)ぎてお兄ちゃんにその声が聞こえしまいそう。

「き、今日の格好、が…っ」

「変?」

ブンブンとわたしは凄い勢いで首を横に振った。




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