もう、秘密になんて出来ないっ!
彼氏の作り方がいくら考えても解らず、困った末に最近頻繁にやり取りをしている溝口さん…志穂ちゃんに勇気を出してアプリの通話機能を使って相談に乗ってもらったのだ。
しかし、さすが志穂ちゃんと言ったところか。同性の友達だけでなく異性の友達もたくさんいるみたいな感じだったな。
…わたしも、がんばろ。
ふと鏡に映る自分を見た。
今までオシャレとかテキトーだったけれど、これを機にキチンとしようかな。
「よぉーしっ、頑張るぞっ!!」
「何を頑張るんだ?」
「きゃあっ!?」
急に背後から声がしたものだから思わず悲鳴に近い声が出てしまった。
「お、お兄ちゃんっ!あ、お風呂から上がったんだねっ」
…正直、お風呂上がりの兄の色気はそれはそれは強烈で。
スウェット生地のライトグレーのボトムスに白のTシャツと言ったシンプルな服装なのにも関わらずフェロモンがダダ漏れなのは濡れた髪のせいか。
それとも、眠気が襲ってきていそうな少しトロンとした双眸のせいなのか。
「みあ。何を頑張るの…?」