もう、秘密になんて出来ないっ!

「俺、みあには嘘つかない主義」

「だって、ふたりが渡米するのは来週だって…」

「あぁ、この家思い切って売り払うことにしたのよ。だからみあには一足早く出て行って欲しいの」

…うそでしょ?(2回目)

「納得出来たところでサッサと荷造りしてしまおうか。兄ちゃん手伝うから」

「えっ!?いいっ!!ひとりで出来るから!ちょっとお兄ちゃんっ!!!」

言うなり遠慮なんて微塵(みじん)もなくわたしの部屋へと入ろうとしている兄を必死に止めようとしたものの敵(かな)わず、兄は予(あらかじ)め用意していた段ボールをテキパキと組み立て、わたしの荷物をしまい始めた。

…なんか、どこになにがしまってあるのか把握しているかのような感じが否(いな)めないが、ここは気にしない方が精神衛生的に良さそうなので気にしないふりをしよう。

____が、

「 お兄ちゃんっ!!そこは下着が入っているところだから開けないでっ!!!」

秒で前言撤回したのだった。

 
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