もう、秘密になんて出来ないっ!

途端に外野が沸いた。

「漣っ、ちょっとこっち来い!!」

俺の首根っこを掴んだ賢太郎はキャーキャー騒ぐ外野の輪をくぐり抜けて今時分は人がまばらな食堂へと向かった。

「いったい何があったんだよ」

テーブルにセルフのお茶を二人分置いた賢太郎が怪訝(けげん)な表情で俺に質(ただ)す。

俺は昨夜の情事を思い出してまた顔が赤くなりつつも、

「みあが、俺に、」

最後まで言おうとするも、言葉にするのも幸せすぎて悶えてしまう。

「…気持ち悪ぃ悶え方すんなよ。みあちゃんがお前に何したって?」

「…みあが、俺に…、キ、キス…、してきたっ。ああっ!言葉にすると本当なんだって実感がヤバい!!」

「…マジかよ」

「マジだよ!安心しろ、結婚式には呼んでやるからなっ!俺、みあのこと想い続けてきて良かったなぁ。両想いってこんなに幸せな気持ちになるものなのか」

俺がしみじみ幸せを噛み締めていると賢太郎が水をさしてきた。

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