もう、秘密になんて出来ないっ!

「ちなみに、どういう状況で?マウストゥマウス?」

「俺がベッドで寝ているフリをしていたら、みあが俺の髪や顔を撫でたりしてから。…頬に、だったけど」

「そのあとは?」

「俺は興奮のあまり眠れなくなったけど、みあはすぐ寝たみたいだった。…って、なんだよそのシラケた反応は!?親友の長年の片想いが実ったんだぞっ。もっと喜べよ!」

妙に真面目顔な賢太郎を小突(こづ)くも、その態度は変わらなかった。

…変わらないどころか、更に表情を硬くして何かを言い出そうとするも「言うに言えない」そんな感じに見てとれた。

「…なんだよ。何か言いたいなら言えよ。今さら兄妹云々は言うなよな」

「漣」

何かを決意したような賢太郎はゆっくりと口を開いた。

「みあちゃん、今日たぶんグループデート行ってる」

「…は?」

青天の霹靂。だった。
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