もう、秘密になんて出来ないっ!


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「あ、みあーっ!こっちこっち!」

「し、志穂ちゃんんん〜」

志穂ちゃんとの待ち合わせ場所である駅の改札口で彼女の姿を見つけて体の力が抜ける。

ヨロヨロとしながらも志穂ちゃんに駆け寄り、そのまま抱きついた。

「大丈夫?」

「久しぶりの電車だったから色々大変だったよ〜」

「痴漢にあったりしなかった?」

「痴漢?大丈夫だよ。車内空いていたからずっと座って来れたし」

「そ。なら良かった。じゃあ行こっか!」

わたしの手を取りニコッと笑った志穂ちゃんは今日も可愛い。

今日の彼女はオールブラックなカジュアルコーデ。

オーバーサイズのパーカーにダメージ加工のデニムショートパンツ。

足元はルーズソックスに厚底スニーカーで決めていて。

服装が黒一色だからかメイクは濃いめ。特にキツめに跳ねたアイラインと赤いリップが志穂ちゃんの魅力を一層引き立てていた。

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