もう、秘密になんて出来ないっ!
「…大丈夫かなぁ、わたし」
「何が?」
「男の子の前でちゃんと喋れるかなって…。挙動不審になっちゃいそう」
「大丈夫だって!アタシがちゃんとフォローしてあげるからさっ」
なんとも頼もしい志穂ちゃんは、わたしの手を引くと男の子達との待ち合わせ場所に向かった。
駅のロータリーを出たとたん志穂ちゃんがその凜とした声を張り上げた。
「あっ、いたいた!おーいっ!!」
わたしはその声が合図かというようにパッと深く俯いた。
「おー、こっちこっち」
「っ、」
男の子の声が近くでして少し怖くもなってきたわたしは、志穂ちゃんの手を更に強く握った。
「あれぇ?スバルと莉玖(りく)だけ?他の連中は?」
「莉玖が参加するって言った時点で俺らの可能性は絶たれたから辞退するってさ」
「ぷっ、何それ」
「_で?さっきからお前の手を離さないでいる彼女が『みあちゃん』?」