もう、秘密になんて出来ないっ!
「みあ、良かったねっ。可愛いってさ!」
志穂ちゃんはまるで自分が褒められたかのように嬉しそうに笑いかけてくれた。
わたしはというと、莉玖くんの両手に顔を挟まれたまま身動きが取れないでいた。
「うぅ、」
堪らず声を絞り出すと、それに気付いてくれた莉玖くんが「ごめん」と優しく微笑みながら解放してくれた。
「…おいおい、あの莉玖が女の子に微笑んでるぞ」
「本当だ。破壊力やばぁ」
「そこ、うるさい」
思いのままを口に出しているふたりに対して莉玖くんはちょっと不機嫌そうに窘(たしな)めた。
「まあまあ。取り敢えずアンタ達、みあに自己紹介してやってよ」
志穂ちゃんが場を仕切り直すと男の子たちも「そうでした」と居直してわたしの方を向くと、まず志穂ちゃんと仲良く喋っていた短髪黒髪ワイルド系のひとが、
「俺は畑中(はたなか)スバル。志穂とは幼稚園の頃からの腐れ縁なんだ。よろしくな、みあちゃんっ!」
ニカッと白い歯を見せて爽やかに笑った。