もう、秘密になんて出来ないっ!
「みあちゃん」
「…莉玖くん」
心配そうな表情でわたしを見つめている莉玖くん、だった。
莉玖くんはゆっくりとわたしの元に歩み寄ってきた。
「ごめん、心配で…」
「あ、こっちこそ心配かけてごめんね。でももう大丈夫だから、」
「嘘」
「…え?」
不意に腕を引っ張られたかと思ったら次の瞬間には莉玖くんに強く抱きしめられていた。
「っ!りく、くっ…!」
「みあちゃんが想っている人はやっぱりお兄さんなの?」
「そ、れはっ、」
何とか離れようとグッグッと莉玖くんの胸を押すけれどビクともしない。
それどころか莉玖くんは、わたしを抱きしめる力をどんどん強めていく。
「お兄さんとはどうあっても結ばれないんだよ?結ばれてはいけない相手なんだ。…だから、みあちゃん。俺を見て?みあちゃんのこと一生大事にするって約束するから、俺を好きになって?」
莉玖くんは、きっと本気だ。
本気でわたしのことを好きになってくれている。
それが伝わってくる。
でも、でも、それでもわたしは__。
「…ごめん、莉玖くん。それでもわたしは、兄が、漣のことが好きなの____」