もう、秘密になんて出来ないっ!
「離してくださいっ」
「逃げなかったっていいじゃーん。俺達、ぜったい会ったことあるってぇ」
必死で抗(あらが)うも男の人のちからには勝てず、じりじりと男のほうへと引き寄せられてゆく。
「っ、やだっ、漣っっ、」
「れん?れんってもしかして…っっ!ぎゃあっ!!!」
あまりの怖さにギュッときつく目を瞑(つむ)った次の瞬間、男の悲鳴が聞こえて瞑ったばかりの目を再び開けると__、
「お前、殺されたいの?」
漣がわたしの腕を掴んでいた男の腕を感情が読めない表情で捻り上げていた。
「痛い痛いっ!!離せっ、離してくださいっ!折れる!!」
「腕の一本ぐらいイッたっていいだろ。みあが味わった恐怖の代償と思えば安いだろ?」
「そんなっ!!ゆ、許してくださいっ!ひぃぃぃ!!!」
「漣っ!!」
このままじゃ本当にこの人の腕を折ってしまいそうな漣に勢いよく抱きついた。