もう、秘密になんて出来ないっ!
きゃあっ!
「!?」
莉玖くんの時よりも大きな黄色い声が聞こえたかと思うと、わたしは『何者か』の手によって莉玖くんから解放されて、その代わりに今度は『何者か』の腕の中に包まれた。
「漣っ」
「もうお前ひとりで外出すんの禁止なっ?心臓いくつあっても足りなくなる」
「っ、アンタ、妹のストーカーでもしてんのかよっ!」
「『彼女』だから。ストーカーはお前の方だろうが。警察に突き出すぞ」
『彼女』かぁ。漣の腕の中で照れていると他の3人が何とも言えない感じでわたしを見てきた。
「みあちゃん。俺ってストーカーかな?」
「え。…いやぁ、」
「みあ、コイツに同情は不要だ。今すぐ警察だ、警察」
「えーっ!みあ、イケメンふたりから取り合いされて羨ましいんだけどぉ!!アタシもスバル呼んじゃおうっ!」
「志穂ちゃん!?取り敢えずこの場をなんとかして欲しいかなぁ!?」
「みあちゃん」
「みあ」
「あ、もしもし、スバルゥ?」
父さんと母さんが日本に帰って来るまで、まだまだひと波乱も、ふた波乱もありそうです…。
2023.7.14 Fin