野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
「そうだよ〜」


ゆったりとした声で茉莉花が答えてくれた。


パパッと着替えていざ体育!


自分で言うのもどうかと思ったが、私は結構運動神経がいい方だ。だから体育は結構好き。


逆に茉莉花は体育が苦手なようで、早く行こうとする私に文句を言ってくる。



「ねぇ〜もうちょっとゆっくり行こうよ〜」



「そんなこと言ってないで、きっと楽しいよ〜」



これがいつもの私たちである。行きたくない茉莉花と行きたい私。完全に食い違っている。


ウダウダしていたらチャイムが鳴り始めてしまったので私たちは全力ダッシュをして体育館に駆け込んだ。



「それでは体育を始める。女子は右半分のコート、男子は左半分のコートを使え」



体育教師の声と共に授業がスタートされた。


私はこの自由主義なところが好きだ。誰にも囚われずに好きなことを目一杯できる。


私が茉莉花を引っ張りながらバレーボールを取りに行こうとすると、後ろの方で黄色い歓声が上がった。


思わず振り返るとそこにはシュートを決めたであろうルカくんの姿、とそれに群がる女子たち。



「うわ〜囲まれてるよ流石だね、転校生。心羽も見てく?」



「いや、別に興味ないし」



ルカくんのことになるとつい素気なく答えてしまう。だって、吸血契約の秘密がバレたくないんだもん。
< 14 / 60 >

この作品をシェア

pagetop