野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
こうやって楽しくお喋りをしながら私たちは学校へと歩を進めた。


教室の前に着き、ドアを開ける。


教室に足を踏み入れたと同時に誰かが飛び込んできた。


思わず後ろによろける。そこをすかさず、茉莉花が支えてくれた。



「心羽どしたの〜?」



「どうしたもこうしたもないよ。ルカくんが飛び込んできた」



「え?」



飛び込んできた人の正体は、ルカくんだった。



「心羽おはよ、今日……だよね?」



う、思わず顔を顰(しか)める。そうだった、今日だ。って、そんなことよりも飛び込んできた件について聞かなくては。



「なんでこの状況が生み出された訳?」



「それは……ごめん」



案外素直に謝られた。もう少し言い訳でもするかなと思っていたから驚きだ。



「今日が待ち遠しくて、つい…」



ズキリと胸が痛む。やっぱりルカくんは私じゃなくて血が欲しいだけなんだ。


そんなことを考えては、バカみたいと思って考えるのを辞めた。



「今すぐ、いい?」



は?今すぐって血を吸うってこと?こんな公衆の前で?無理無理。普通に変な人たちじゃん。


「無理」


私はきっぱりと断った。


なにそのシュンとした表情。



「そっか…分かった。大丈夫なときに言って」
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