野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
完璧な地獄絵図が完成していた。



「ちょっと待って、どこ行くの?」



「………。」



って、無視かい!これは着いていくしかないらしい私は騒ぐのをやめて引っ張られながら歩いた。


少し歩いて着いた先は屋上。


放課後だから誰もいなかった。


ルカくんは俯きがちでこう言った。



「無理に連れてきちゃってごめん」



そんな素直に謝られると反応に困る。


「別に、ちょっとびっくりしたけど大丈夫」



「そう……」



「うん」



会話が止まり、気まずい沈黙が流れる。


何か話さなきゃ。唐突にそう思った。けれど、なにも出てこなかった。だってルカくんの顔色があまりにも悪かったから。



「ルカくん?顔、真っ青だよ」



私はどうすればいいか分からずただただ立ち尽くしていた。


バタン!



「え⁉︎」



ルカくんが倒れてしまった…。どうしよう。まずは保健室に連れてかなきゃ。でも、この体格の良さだ。私一人で運べるわけがない。


ギュッ!



「……!」



まるで命綱だというように私の腕を掴んできた。



「ルカくん、今先生呼んでくるから離して?」


できる限り優しく、ルカくんに問いかけた。



「く……から………せて」



「え?」
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