野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
「大丈夫?熱でもあるの?」



「ヒャッ!そんなことないよ」



ただただ恥ずかしかった。だから、袖をギュッと握りしめた。


彼の手は冷たかった。


ピロリン


愉快な音と共にお風呂が沸いた。



「じゃあ、入ってくるね」



「うん、タオルはここに置いとくね。着替えはお兄ちゃんの用意しとく」



私は脱衣所の扉を閉めた。


着替えの準備をしてから、私はソファに座り込んだ。


30分程経った頃、脱衣所から着替え終えて肩にタオルをかけた姿のルカくんが顔を出した。


彼は綺麗だった。髪から垂れた水滴をタオルが吸収していっている。


私は数秒見惚れていた。



「俺になんかついてる?」



「そ、そんなことない」



危なかった〜。見惚れてるの、バレちゃうところだった。


そんなことより、さっさと髪を乾かしてあげないと風邪ひいちゃう。


私がドライヤーを取り出したことで察しがついたのか、「自分でやる」と言って私からドライヤーを取り上げた。


改めて、男子って大きいんだな〜と実感させられた。


ルカくんが髪を乾かし始めたと同時に「サラサラな髪…」と聞こえない程度で呟いた。


そこまで長くない髪なので、3分程で乾いてしまった。


さて、これからどうしよう。
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