野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
そう言って小指を出してきた。指切りをしようとしているのだろう。


私はルカくんの目を見て嘘をついていないと思い、小指を絡めた。



「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲〜ます指切った」」


2人で声を揃えて言った。



「俺の話、聞いてくれる?」



まだ不安は拭えなかったが聞くだけ聞いてみることにした。だから私はコクンと首を縦に振った。



「俺の両親はヴァンパイアなんだ」



「うん、多分そうだろうな〜って勘付いてたよ」



だってルカくんが突然変異しない限りあり得ない話だろう。アヒルの子はアヒル、人間の子は人間。それにならってヴァンパイアの子もヴァンパイアなんだろう。



「しかも、生き残りのヴァンパイア」



「生き残り……」



思わず復唱した。


たしかにこれまで17年間生きてきたけれど、ルカくん以外のヴァンパイアに会ったことがない。まぁ、それが普通なのだが。



「ヴァンパイアは17歳で才能が開花する。昔は違かったらしいけど、俺たちも生きやすくなるために進化してるんだ」



「まって、ルカくんって今何歳?」



「17だよ」



まさかの同い年だった。てっきり1つや2つ上かな〜と思っていたから驚きだ。



「それで、才能が開花したのは良かったんだけど、その才能っていうのが…」
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