野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました

ここまで言ってルカくんは話を区切った。


気になってウズウズしているとそれを察したルカくんが口を開いた。



「血を吸う…ここまではいいじゃん？」



「うん…」



血を吸う、それがヴァンパイアだ。だから別におかしなことではないはずだが…。



「初めて血を吸った人と吸血契約しちゃうんだ」


キュウケツケイヤク？



「まぁ、簡単に言うと一生血を吸いますって契約」


「それヤバいじゃん。だって、一生添い遂げなきゃいけないってことでしょ？」



そこまで言ってまさか…と思った。



「僕が初めて血を吸ったの、さっきなんだ。つまり、心羽なんだ」



「え〜‼︎」



「ごめん」と手を合わせて謝られたがもう遅い。


別に、好きな人がいる訳ではないが今日初めて会った人と突然添い遂げろなんて無理に決まってる。


そんな私を放っておいて、ルカくんは話を続けた。



「俺、一週間前に誕生日で本格的にヴァンパイアになった。好きな子とかいなかったし、添い遂げる相手なんて考えてもいなかった。でも、一週間に必ず一回は血を吸わなきゃいけなくて…」


ルカくんの両親は二人ともヴァンパイアだ。でも、私は人間。ヴァンパイア同士でないとヴァンパイアは生まれない。つまり、家計が途絶えてしまうのではないだろうか？