来る日も来る日もXをして
(しのぶ)くんたら、私とは会社でしなかったのに、(すずな)先輩とならするのぉ?」

そのアニメ声とシャッター音は愛来(あいら)ちゃんのもので、私の服を更にまくり上げようとする東雲くんの手を止めた。

「菘先輩は美人だけど、正直私の方がいいカラダしてると思うんだけどなぁ。」

「邪魔しないでよ。カラダがいいとか悪いでしようとしてるわけじゃないし、言っとくけど、僕の家には君よりずっといいカラダの子来てるから。」

「ふぅ~ん。」

「一応聞くけどさ、その写真どうするつもり?」

「私とここでしてくれるなら消してあげてもいいよ?」

「会社でも警察でもどこにでも出せば?君が僕を脅すなんて100年早いんだよ。」

「そんなことしないよぉ。忍くんがいなくなったらやだもん。ね、またおうち行ってもいいよね?ものすっごい下着買ったの。裸より恥ずかしいくらいの。」

「・・・僕の予定が空いてればね。」

「わぁい。じゃあまたね。あ、菘先輩、ミーティング始まりますよ?」

「・・・う、うん!」

二人の会話に呆気にとられていた私は慌てて立ち上がってボックスから出るとホックを留め乱れた服と髪をザッと直し愛来ちゃんの後に続いた。振り返ってみるとボックスの中に座ったままこちらを見ている東雲くんの表情は複雑で彼がどんな感情でいるのかはわからなかった。
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