来る日も来る日もXをして
「えぇっ!?」

大人に戻った先輩がお手するところを想像してしまう。

───可愛過ぎ・・・いや!ダメダメ!これは私に承諾させるために言ってるだけ!

頭を横にぶんぶん振って頭の中からわんこになった先輩を追い出す。

「頼む。更科しかいないんだ。このままじゃ、俺の人生めちゃくちゃだ。俺、実は全然器用じゃなくて、勉強もスポーツも仕事も全部人の何倍も努力しなくちゃいけなくて・・・見た目だって気を抜くとすぐに太っちゃうし、食べ物気を付けないと即肌が荒れる。評価されても自己肯定感低いままで自分のこと大嫌いなのに、さらにこんなことになって・・・。」

先輩はこたつに入っている私の隣に座り私をぎゅっと抱きしめた。抱きしめる、と言うより、抱きついてきた、という感じだった。子どもの姿だからだろうか。不思議と嫌悪感を感じなかった。先輩の肩は震えている。
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