来る日も来る日もXをして
───あ~これ、もうダメかも。子どもの姿での泣き落としなんて卑怯だよ・・・。
小さな頭を見下ろしながら『考えてみるだけ、ですよ?期待しないでください。』と言うと、彼はこちらを見上げて『ありがとう。』とにっこり笑った。涙によって潤んだ目による計算されたかのように完璧な上目遣い、破壊力抜群の輝く笑顔。
やっぱり明日先輩はずるい。どうすれば私の心が揺さぶれるか知り尽くしている。
子どもの姿のまま夜中に出歩けないので送れないから、と先輩がタクシーを呼んでくれて家に帰った。換気の為窓を開けると満月だった。子どもになった先輩の瞳はあの月よりも綺麗だった。
───いや、子どもになる前からそうだったのかな。イメージだけで嫌悪して先輩のことちゃんと見てなかったから。『社内の女性コンプリートするつもりですか!?』なんて失礼なこと言っちゃったな・・・。
自分の唇に触れてみる。
───でもだからって、好きでもないのに毎日キスなんて・・・いくら一回したからって。
私は今まで誰かと付き合っても『心も体も固過ぎる』なんて言われてすぐに別れてきた。そんな唇が今求められている。明日先輩が子どもにならない為の手段として。とても複雑な気分だった。
小さな頭を見下ろしながら『考えてみるだけ、ですよ?期待しないでください。』と言うと、彼はこちらを見上げて『ありがとう。』とにっこり笑った。涙によって潤んだ目による計算されたかのように完璧な上目遣い、破壊力抜群の輝く笑顔。
やっぱり明日先輩はずるい。どうすれば私の心が揺さぶれるか知り尽くしている。
子どもの姿のまま夜中に出歩けないので送れないから、と先輩がタクシーを呼んでくれて家に帰った。換気の為窓を開けると満月だった。子どもになった先輩の瞳はあの月よりも綺麗だった。
───いや、子どもになる前からそうだったのかな。イメージだけで嫌悪して先輩のことちゃんと見てなかったから。『社内の女性コンプリートするつもりですか!?』なんて失礼なこと言っちゃったな・・・。
自分の唇に触れてみる。
───でもだからって、好きでもないのに毎日キスなんて・・・いくら一回したからって。
私は今まで誰かと付き合っても『心も体も固過ぎる』なんて言われてすぐに別れてきた。そんな唇が今求められている。明日先輩が子どもにならない為の手段として。とても複雑な気分だった。