来る日も来る日もXをして
明日への旅立ち
「はぁはぁ・・・よかった・・・まだいた。」
息を切らしている明日先輩の声は、新しい日々に向けて飛行機のように飛び立とうとする私の心を掴んで地上に引き戻そうとする。
「なっ!離してください!」
「四つ葉のクローバー探してくれたの更科だったんだね。」
「!?」
振り払おうとするとより強く抱きしめられた。耳に先輩の吐息がかかる。
「ばあちゃんに昨日のパーティーの集合写真送ったら『四つ葉探してくれたお姉さんだ。間違いない。』って。ありがとう。」
「いえ、押し花にして栞にしたのは私ですけど、見つけたのは忍くんですから。」
「そうだったんだ。東雲にもお礼言わなくちゃ。悩んだ時、あのクローバーに助けられたから。」
「それはよかったです・・・じゃ・・・!?」
先輩の腕から逃れようとすると更に強く抱きしめられる。
「俺の話を聞いてほしいんだ。聞いてくれるって言うなら離すよ。」
「わ、わかりました。」
そう返すと先輩の腕が緩んだので、体を離して少し距離をとる。
「前、『更科には言えない』って言ったこと覚えてる?」
あの女性───奥さん───と二人だけの秘密だと言っていたことだ。
息を切らしている明日先輩の声は、新しい日々に向けて飛行機のように飛び立とうとする私の心を掴んで地上に引き戻そうとする。
「なっ!離してください!」
「四つ葉のクローバー探してくれたの更科だったんだね。」
「!?」
振り払おうとするとより強く抱きしめられた。耳に先輩の吐息がかかる。
「ばあちゃんに昨日のパーティーの集合写真送ったら『四つ葉探してくれたお姉さんだ。間違いない。』って。ありがとう。」
「いえ、押し花にして栞にしたのは私ですけど、見つけたのは忍くんですから。」
「そうだったんだ。東雲にもお礼言わなくちゃ。悩んだ時、あのクローバーに助けられたから。」
「それはよかったです・・・じゃ・・・!?」
先輩の腕から逃れようとすると更に強く抱きしめられる。
「俺の話を聞いてほしいんだ。聞いてくれるって言うなら離すよ。」
「わ、わかりました。」
そう返すと先輩の腕が緩んだので、体を離して少し距離をとる。
「前、『更科には言えない』って言ったこと覚えてる?」
あの女性───奥さん───と二人だけの秘密だと言っていたことだ。