来る日も来る日もXをして
明日先輩はこたつに入って寝転がりうとうとしていた。子どもの姿なので可愛さ増し増しだ。

───寝たらキスしちゃう?いや、今日は子どもの姿だからキスできても、大人に戻った先輩とできるか正直わからない。でもキスしないなら早くそれ伝えて帰らないと。またお店でしなきゃいけなくなるし・・・。

お店でするのは苦痛、と言っていた明日先輩の顔を思い出すと心が痛くなるが、今の自分の気持ちをちゃんと伝えないとと思い、先輩を起こすことにした。

「先輩、こたつで寝たら風邪ひいちゃいますよ?」

「うーん・・・。」

むにゃむにゃしている明日先輩が反則級に可愛い。先輩が今こんなにリラックスしているのは私がキスすると信じて安心しているからなのかもしれない。

───今日だけでもキスしなきゃ。私は今日思わせぶりにここに来てしまったわけだし。

私は決心した。絶妙なピンク色をしたぷるぷるの唇を見つめる。

───子どもとって・・・これって、犯罪とかじゃないのかな・・・。見た目は子どもでも中身は大人だからOKだよね?

先輩の手を握ってみる。なんのためらいもなく触れられた。唇と唇が一瞬触れる。それだけのことだ。今手を握っている方がより長く深く触れている。触れる場所が唇ってだけだ。

明日先輩の唇に自分の唇をゆっくり近づける。と、先輩の目が開いた。
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