来る日も来る日もXをして
「なっ・・・!」

途端に自分がしようとしていたことが恥ずかしくなり体を起こそうとするが、明日先輩に腕を掴まれて阻まれる。

「・・・更科(さらしな)ってさ。」

子どもの力だから振り払えるはずなのに、とろんとした目でじっと見つめて来られてドキッとしてしまい魔法にかかったように動けない。

「実はすごいベビーフェイスなのに化粧で頑張って大人になってるよな。」

「な!?気にしてるのにっ!そういうのわかるなんてさすがたくさんの女性と付き合ってるだけありますね。」

「全然わからないよ、女性のことは。」

「ふん、どうだか。」

先輩が実は女性慣れしていないこと、先日の話で十分わかっているのに、あまりに照れくさくてそんな風に言ってしまう。先輩を傷つけているかもしれないのに。

「・・・そうやって化粧頑張ってるのもそうだし、俺にズバリ当てられて照れてるところも可愛い。」

「な・・・!?」

頬がボッと熱くなった瞬間、目の前が暗くなって唇に柔らかいものが触れた。
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