来る日も来る日もXをして
「あの、これって・・・うちの会社にいる子のじゃないよね?」

これだけの女性が出入りしてるの!?ということより、美彩ちゃん達のものでないことをまず確認したかった。

「さぁ?いちいち覚えてないんで。本人を前にしてもどこで出会った子かわかんないくらいだから。」

「・・・。」

私には全く理解できない世界だった。でも美彩ちゃん達が話していたように、本人達が望んでそうしているのならそれでいいのだろう・・・と無理矢理納得しようとした。

───私はそういう希望があって来たわけではないし、話すだけだよね!?

「いつまでもボーッとしてないで行きましょう。」

東雲くんが苛立った様子で私の手を引っ張った。その瞬間、『これ、やばいやつだ!』と全身の細胞が叫び、反射的に彼の手を振り払った。

「し、東雲くん!確認したいんだけど・・・。」

「・・・あー、めんどくせ。」

「!!」

突然変化した言葉遣いに固まる。その固まった体が宙に浮いた。鏡には東雲くんに抱き上げられた私が映っている。
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