来る日も来る日もXをして
「触っていいですよ?女の子皆触りたがります。」

「い、いい!私は大丈夫!」

「もっと下も触ってもいいんですよ?」

色づいた声を出す。

「!?や、やめて、無理っ!」

「ぷっ!慌て過ぎ。更科さんていつもキビシイのにこういう時は初々しいんですね。」

東雲くんが笑って手が緩んだ隙に手を離す。

「で、でも撮影までしなくてよくない?」

「撮影はいつもしてるんですよ。自分の技術で人が快感に悶えるところを見るのがたまらなく好きなんです。芸能人も政治家も海外セレブも、皆僕の手で昇天してしまうんです。」

「そっ、そんな人達も来てるの!?」

「そうですよ。今回のコースだったら、僕と同じ入社2年目のサラリーマンの給料、3ヶ月分くらいですかね。」

「えええっ!?私そんなお金・・・。」

一瞬で背筋が凍る。

───ちょこちょこ貯めてきた貯金はあるけど・・・もしかしてそういう詐欺!?

「安心してください。今回はもちろん無料ですよ。僕の個人的な希望ですから。いやー、あんな岩石、いや、ダイヤモンド並みに凝り固まっていた更科さんを一回の施術でここまでよくしてしまうなんて、やっぱり僕って天才だな。言っときますけど、まだ何回か来てもらいますから。やれるところまでやらないと気が済まないんで。」

東雲くんは自慢のゴッドハンドを交差させた。
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