来る日も来る日もXをして
『ごめん・・・俺のせいで。本当に申し訳ない。ただでさえ、更科に助けてもらってるのに・・・。』

明日先輩の声が泣きそうになっていて焦り『私は大丈夫ですから!』と力強く言ったら力み過ぎて声が裏返ってしまった。

『更科の「大丈夫」は当てにならない。』

「・・・。」

───す、鋭い・・・。

『金を要求されたんだったら返せるけど、もし体だったら・・・俺、責任とるから。』

「先輩?」

『一生更科に尽くす。』

───『一生』って!?『尽くす』とは!?

すごく真剣な声で言われ慌ててしまうが、今明日先輩がどんな顔をしてこんなことを言っているのか見たくてたまらなくなってしまう。

「か、体ったってそういうのじゃないですから!」

『どういうのだよ?労働とか?』

「とにかく、つらいようなことじゃなかったんで。気にしないで下さい。はくしょん!」

『どうした、風邪?』

「いえ、ちょうどお風呂入るとこで、裸のまま話しちゃってたから。」

『バカ!真冬だよ?ちゃんと着ろよ。』

「はい、っくしょん!」

『更科、血行良くなさそうだしね。体中ガチガチに凝ってるんじゃない?』

まさに東雲くんに言われた言葉だった。そんなにわかりやすいんだろうか。そしてその言葉で東雲くんに『更科さんさ、モテないでしょ?』と言われたことも思い出した。

「・・・先輩は。」

『え?』

「見たいって思いますか?」

『何を?』

「私の体。」
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