来る日も来る日もXをして
「な、何ですか!?」

───俺も一緒に行く、とか言われたらコンビニ行こうとしてる意味ないんだけど。だって本当は別にお腹減ってないし・・・。

先輩は『ちょっと待て。』と言うとキッチンに行った。戻ってくるとあれよあれよという間にこたつの上にタッパーが続々と置かれた。それから白米が盛られたお茶碗2つ、お味噌汁のお碗2つ、お箸も2膳。

「昨日ばあちゃん来て作り置きしてくれたやつ。すごい美味いからさ。誰かに食べてほしかったんだ。ほんと、店開けるくらい美味いんだから。これがある時は俺、コンビニで買ったり外食したりしようなんて全く思わない。」

明日先輩と二人でご飯なんて断りたいのに、目を輝かせすごく嬉しそうにしている彼を見たらついつい『じゃあお言葉に甘えて。』と言ってしまっていた。というかこの状況じゃ断れない。

───こうやってまた私は流されてしまうのだ。
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