来る日も来る日もXをして
ギリギリのキス
新幹線の扉がプシューッと開き明日先輩がホームに降り立つ。私は予め教えてもらっていたその扉の前で待っていた。
「ごめん、こんなところまで・・・」
「そういうの今いいですから!時間ないし!」
私は先輩の手を引っ張りホームの中程まで行くと背伸びしてその唇にキスをした。
虚をつかれた表情の先輩の後ろから『キャー!』『おおっ!』と歓声が上がる。先輩の後に降りてきた学生っぽい男女グループだった。
「なになに、感動の再会!?」
「『一秒も待てない』って感じだったね。」
「彼女からってのがエモいよなぁ。」
「しかも美男美女だし!写真撮りたかったぁ!」
「それ盗撮じゃね?」
盛り上がる彼らの言葉に我に返ると顔が火を吹きそうだ。恥ずかしくて両手で顔を覆う。私の手がお煎餅だったなら、この熱い顔面ですぐに焼けるだろう。
───間に合わせることしか考えてなくてここが駅って忘れてた・・・恥ずかし過ぎる・・・。
すると、その手の甲が何かに触れた。目の前が暗くなり最近覚えた先輩の香りがする。そして苦しくなった。
「ヒュー!!」
「マジ、ドラマみたい!」
若者達が更に盛り上がっている。それもそのはず。先輩が私を抱きしめたのだ。
「・・・っちょ!」
「顔見られたくないんでしょ?」
「そ、そうですけど・・・でも新幹線乗らないと・・・。」
「!?そうだった!!」
先輩が慌てて振り返った時、最終の新幹線が高速で走り去って行った。
「ごめん、こんなところまで・・・」
「そういうの今いいですから!時間ないし!」
私は先輩の手を引っ張りホームの中程まで行くと背伸びしてその唇にキスをした。
虚をつかれた表情の先輩の後ろから『キャー!』『おおっ!』と歓声が上がる。先輩の後に降りてきた学生っぽい男女グループだった。
「なになに、感動の再会!?」
「『一秒も待てない』って感じだったね。」
「彼女からってのがエモいよなぁ。」
「しかも美男美女だし!写真撮りたかったぁ!」
「それ盗撮じゃね?」
盛り上がる彼らの言葉に我に返ると顔が火を吹きそうだ。恥ずかしくて両手で顔を覆う。私の手がお煎餅だったなら、この熱い顔面ですぐに焼けるだろう。
───間に合わせることしか考えてなくてここが駅って忘れてた・・・恥ずかし過ぎる・・・。
すると、その手の甲が何かに触れた。目の前が暗くなり最近覚えた先輩の香りがする。そして苦しくなった。
「ヒュー!!」
「マジ、ドラマみたい!」
若者達が更に盛り上がっている。それもそのはず。先輩が私を抱きしめたのだ。
「・・・っちょ!」
「顔見られたくないんでしょ?」
「そ、そうですけど・・・でも新幹線乗らないと・・・。」
「!?そうだった!!」
先輩が慌てて振り返った時、最終の新幹線が高速で走り去って行った。