来る日も来る日もXをして
「俺、トイレにこもろうか?なんなら外に出てる。」

「部屋にいてもらって大丈夫ですよ。後ろ向いててもらえれば・・・。」

───とは言ったものの・・・。

『見たいよ。更科の体。』

電話で明日先輩が言っていた言葉を意識してしまう。

「トイレにいるから出たら声かけて。」

私の気持ちを汲んでくれたのか、先輩は私の返事を聞かずにトイレに向かった。

先輩をあまり長くトイレで待たせてはいけないので、急いでシャワーを浴びバスローブを着てトイレに向かう。

「先輩っ、出ましたよ。どうぞ。」

外から呼びかけると『え、もう!?早いな。』と言いながら出てきた先輩は頬を染めて私から目を逸らした。

「・・・その、バスローブ、はだけてるっていうか・・・。」

「え!?」

見ると慌てて着たからなのか胸元の際どいところが(あらわ)になっていた。

「し、失礼しました!直しました。」

先輩は慎重に視線をこちらに戻す。すると今度は私をロックオンしたかのように見続けている。

「先輩?」

「やっぱりベビーフェイスだね・・・顔は子どもみたいなのに、髪は濡れてて、バスローブ着てるっていうのが、なんか・・・。」

「なっ、何ですか!?」

「いや・・・シャワー浴びてくる。」

先輩は片手で鼻と口を覆うと浴室に向かった。

───何を言いたかったんだろう。というか私もトイレで待ってた方がいいよね。ん?

振動音に気づく。トイレには先輩のスマホが置かれたままだった。画面は『ばあちゃん』からの着信を告げている。

───こんな夜中におばあちゃんから!?緊急事態かも!

さすがに先輩はまだシャワーを浴び始めてはいないだろうと思い浴室に向かう。

「せんぱ・・・!!!」

そこには全裸でシャワーの温度を確認している明日先輩がいた。
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