来る日も来る日もXをして
「・・・いつもあんなすごいのつけてるんだ・・・意外。」

明日先輩は私から目を逸らし頬を赤らめつつ戸惑っているが、なんだか少し嬉しそうだ。

「違っ!違うんです!あれは勝負下着!その、本来の意味での勝負!昨日キス動画ばらまかれることになってたから、強気でいけるように戦闘モードで!」

「あぁ、そう言えば服も・・・。」

「そうです!」

「・・・ごめん、本当に・・・俺のせいで。あんな下着つけて気持ち奮い立たせて仕事行かせちゃったんだね。」

先輩は私に視線を戻すと頭を下げてきた。

「だ、大丈夫ですから!先輩も何回も『何か言われてない?』ってメッセージくれてましたし。実際ばらまかれてないっぽいし。」

「・・・そっか。」

「もう、だからそんなしゅんとしないでください。」

先輩と向かい合って座った途端抱き寄せられる。

「・・・一昨日の夜の電話で途中になっちゃったけど・・・本当に体、大丈夫なの?脅されて何か・・・。」

「大丈夫です!脅してするようなことをされたわけでもないです。『脅した方が面白いから。』って。」

「でも脅されて怖い思いしたよね・・・。」

明日先輩は切羽詰まった様子で私をぎゅっと抱きしめた。先輩の気持ちがダイレクトに伝わってきてなんだかこちらまで泣きそうになる。
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