来る日も来る日もXをして
「・・・ごめん。明日土曜日なんだから今日はキスしないでよかったのに2回も・・・しかも両方ともその・・・子どもにならない為にした訳じゃなくて、何も考えてなくて、ただしたくて・・・。」

長身の明日先輩が座席の上ですっかり小さくなっている。

「い、いえ・・・。」

───今日の2回のキスに幸せを感じてしまった、なんて恥ずかしくて言えない・・・。

「食事、何食べたい?何でもいいよ。」

「ええと・・・。」

───先輩と過ごすならお店じゃなくて・・・。

明日先輩のほっこりしたおうちは落ち着くしすごく楽しい時間だったので図々しいけれどまた行きたいなと思ってしまう。

「その・・・もしよかったら、なんですけど・・・。」

「ん?遠慮しないで言って。」

明日先輩の言葉が私の背中を押してくれる。

「また先輩のおうちにお邪魔できたら嬉しいなって・・・。」

「!?・・・」

『いいよ。』と言ってくれるのを期待してしまっていたけれど、明日先輩は明らかに困惑した表情になった。

「だ、駄目ですよね!この間は子どもになるとこ見せてくれる為に、だったし。すみません。」

「・・・ごめん。」

「そ、そんな、こちらこそ図々しくてすみません。」

───もう・・・先輩が『キスしたくしてした』なんて言ってくれたからって舞い上がって勘違いし過ぎ!

「・・・更科(さらしな)が今日うち来たら、さっきの続きしたくなっちゃうから。」

明日先輩は俯いたまま爆弾発言をした。
< 78 / 162 >

この作品をシェア

pagetop