来る日も来る日もXをして
東雲(しののめ)くん・・・!?」

「え・・・!?東雲・・・!?弟とか?」

明日先輩はチャラ男バージョンの東雲くんを(いぶか)しげに見ている。

「明日さん、おはようございます。」

わざとなのか東雲くんはいつものボソボソ喋りだ。

「えっ!?本当にあの東雲!?」

「普段の冴えない僕はウィッグなんです。でも昨日の帰り鳥のフン落ちてきて最悪でしたよ。」

東雲くんは本来の彼の喋り方になった。

───本当に鳥のフン落ちた!!神様、いや、鳥様ありがとう!

「驚いたよ。それにしてもこんなに早い時間に出勤なんて珍しいね。あ、でもスーツじゃないしジム行ってから出社とか?」

「あ~ちょっと遊んでて。眠いんで今日午後出勤にします・・・あふ。」

「ちょっと何それ!社会人としてそんなの駄目だよ!そりゃ、プライベートは自由だけど、遊ぶにしても仕事に影響出ないように程々にするのが常識でしょ!?」

「更科さん、朝からキンキンうるさいですね。二日酔いの頭に響くからやめてくださいよ。二日酔いってかさっきまで飲んでたんですけど。」

「それは健康にもよくないね。若いからってあんまり無理すると大変なことになるよ。」

「明日さん、どうしたんですか?いつもと雰囲気違いますよね?人のことなんてどうでもいい、俺が一番輝いてる!みたいな感じなのに。なんかしょぼくれたおっさんみたいです。」

「・・・俺はおっさんていうかじいさんなんだよ。」

「またまた・・・昨日の夜、よっぽどおふたりで楽しんだんですね。服も同じですし。更科さんと身も心も一緒になったんで、性格まで似ちゃいましたか?」

東雲くんは憎たらしい笑顔を浮かべ心底楽しそうだった。
< 80 / 162 >

この作品をシェア

pagetop