来る日も来る日もXをして
「身も心もって・・・。」

明日先輩は頬を赤くしている。それを見て心がくすぐられてしまう。

「更科さんが明日さんを脅してキスしてるってことですけど、全然そんな風に見えないですね。相思相愛、的な・・・ぷっ、自分で言っててウケます。寒っ!」

「・・・!?もしかしてお前か!?『動画ばらまく』って更科のこと脅したの!?」

明日先輩は険しい表情になった。

「そうですよ?いやー、さすが僕と同レベルのイケメンは怒ってもイケメンですねぇ。惚れ惚れしちゃうなぁ。」

「・・・お前っ!」

明日先輩が東雲くんの胸ぐらを掴む。先輩の方が長身で二人の身長差は10cmほどあった。

「先輩!やめてくださいっ!こんなとこで!」

慌てて先輩の手を掴むとハッとして辺りを見回す。

「やだなぁ、明日さんはもっとスマートなのかと思ったのにそんな暑苦しいことするなんてがっかりですよ。やっぱり更科さんと一つになっちゃったからですね。」

東雲くんはやれやれと言った様子で首の辺りをさすっている。

「・・・更科に何した?」

今まで見たことも聞いたこともない明日先輩の鋭い眼差しとドスのきいた声。私に向けられたものではないのに思わず震え上がってしまう。それだけ私のことを心配してくれていることにキュンとしてしまう。一方東雲くんは余裕な様子で恍惚とした表情を浮かべる。

「え?ご本人から聞いてないんですか?ま、言えないか。極上に気持ちいいことですよ。更科さん、僕に触られて大事なところ全開であんあん声出しちゃって・・・あの動画、あの後も何度も観てるんです。」
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