来る日も来る日もXをして
「!?」

明日先輩が悲しげな目でこちらを見た。

「誤解されるようなこと言わないで!私の全身が凝ってるからマッサージしてもらっただけです!普通に言えばいいのに謎に脅してくるし。」

「マッ、マッサージって普通の・・・?」

「そうですよ!健康的な!東雲くん、ゴッドハンドを持ってるんです。」

「・・・よ、よかった・・・。」

先輩の体からわかりやすく力が抜けた。

「なんだ。本当のことばらすなんてつまんないの。」

「もう、何言ってるの!?」

「でも、本当に素晴らしい時間でした。次、楽しみにしてますね。」

「もう行かないって言ったでしょ!?」

「じゃ、キス動画拡散しますね。」

「いいよ。今この場でばらまいてもらっても構わない。」

明日先輩が私の手を握ってきて、その繋がった手を東雲くんは汚いものでも見るように見た。

「やっぱり付き合ってるんじゃないですか。くだらない。金と体以外の目的で人と繋がる意味、僕にはわかんないですね。明日さんは僕と同じ感じで女の子達と繋がってるんだとばかり思ってたのに。」

「悪いな。俺はお前とは違う。」

「へぇ。僕はそんな人生絶対送りたくないですけど、明日さんがいいんならいいんじゃないですか。」

明日先輩の毅然とした態度にも東雲くんはまるで動じていない。
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