来る日も来る日もXをして
「やっぱりそう簡単には見つからないか・・・。」

「三つ葉のうちの一枚をちぎって4枚にしたらいいじゃないですか。」

「ひゃっ!だから気配消さないで!」

また隣に東雲くんがしゃがみ込んでいた。

「今回はパンツ見えませんでしたね。」

「しつこい!それに人工的に作ったら意味ないから!」

「幸せってのは草なんかに頼らないで自分の手で作るもんなんですよ。あ、ダジャレ出来ました。『草に頼るなんて草。』どうですか?」

「・・・お願いだからもう私に構わないで・・・やばい!もう時間が!・・・しょうがないからまた帰りに探そう。東雲くんもちゃんと午後の仕事に間に合うように戻ってよ。」

そう言い残して立ち上がると東雲くんの方を見ることもなく会社のビルに向かった。私が見えなくなるまでその後ろ姿を東雲くんが見送っていたことも、私達をじっと見ていた人物がいたことも全く気づかなかった。
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