【設定②】わたしが初めて恋をした話。
連絡先を交換しました


 とある日の午後。今日は毎年三月に開催されるライバル校である高校との共同ライブの打ち合わせでテレビ局の会議室に来ている。
「美宙〜早いねぇ」
「ユミ。いらっしゃい」
「疲れた〜……そういえば、グッズとかの企画書書いてきた?」
「書いてきたよ、結構楽しかった」
 共同ライブでは三年生は集大成なので、グッズ販売も許されていてそれをアイドルからどんなものがいいのか聞いて企画から作るのはマネージャーの仕事でもある。
 まぁ企画書を提出してグッズ化できるわけではなく、いろいろな責任者に印をもらわないといけないから少し緊張する。



「赤西さん?」
 二人で話をしていると、後ろから声を掛けられて振り向く。するとなぜかここにいないはずの志賀さんがいらっしゃった。
「志賀さん……なんで志賀さんがここに?」
「よかった忘れられてなくて! 俺は、この共同ライブで照明担当するから今日の打ち合わせも参加するんだ。そしたら、赤西さんいたから思わず声を掛けちゃった」
「そうなんですね……志賀さんもいてくれるのはとても安心します」
「そう? なら良かったーもうすぐだから席着くね……また話せたら話そうね」


 志賀さんが席の方に着くと「美宙、いい雰囲気じゃん」とユミが小声で呟く。
「そんなことないよっ」
「いやいや、あるでしょ」
 小声で会話を続けていると、ライブの責任者さんと二校の理事長に担当教員が入ってきて最初の挨拶で一人ずつ自己紹介をされると、私たちも名前だけだけど言って提出物を提出し、これからの日程を説明されて解散となった。



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