【設定②】わたしが初めて恋をした話。
お父さんがぜひ撮ってこいと言っていた西くん。低音だけではなく高音も出せる彼は声が透き通っていて、色で例えると何にも染まっていない透明らしい。だから、これから先、期待したいと言っていた。
「西くん、動画いい?」
「あっ、うん。よろしくお願いします」
「オーディションじゃないんだから気楽にでいいよ」
「よっしゃ、頑張るわ――」
そう西くんが言うと、音楽が流れて人気歌手の歌が流れ始めた。