【設定②】わたしが初めて恋をした話。


 それからも三人ほど動画を撮らせてもらって、ほとんど仕事をした感じだが……久しぶりにワイワイできて楽しかった。
 私がお手洗いに立って部屋から出ると、そこには美遥がいた。
「美遥、どうしたの? こんなところで」
「……あぁ、美宙に用があって」
「そうなの? 仕事の話?」
「いや。そうじゃなくて、……俺、美宙のこと、」
 何かを言おうと美遥が口を開くと「美宙ちゃん?」と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あ、蓮さん。え、なんでここに?」
「俺は誘われて……美宙ちゃんは、打ち上げ?」
「うん、そうなんです。高校最後だから」
 蓮さんは「そっか、じゃあ楽しんで」と言うと、一緒に来ていた男性の元に言ってしまった。


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