【設定②】わたしが初めて恋をした話。
初めての恋
「――おーい、美宙? どうした?」
ある日の昼休み。私は親友のユミとお弁当を食べていた。
「えっ、あ……何?」
「何ってさぁ、久しぶりにお昼一緒になったっていうのにずっとボーッとしてんだもん、いつも完璧な美宙がそんなんじゃ気になるでしょ」
「仕事はちゃんとしてるよ」
「うん、知ってるよ。だって張り出された成績も相変わらずトップなんだから……で、なんかあった。まさか恋でもしちゃった?」
「……っ……」
ユミから“恋”という言葉を言われて志賀さんのこと思い出してしまった。あれから数日経つというのに思い出してはドキドキしちゃう私は重症だ。恋とかよくわからなかった私だけど……恋というものに落ちてしまったらしい。