暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
その日の夕方。
私と副社長はアメリカとのウェブ会議のために遅くまで残っていた。
「会議は二十二時からでしたね」
「ああ、それでも向こうは朝の九時だからな」
「そうですね」
朝九時からの国際会議なら早朝出勤して準備をしていることだろうから、こちらが残業になっても文句は言えない。
「その前に腹ごしらえするか?」
「はい」
綾香さんに言われてから副社長との外出を控えている私は、あれ以来一度も食事に同行していない。
でも、会議が二十二時開始となれば何かおなかに入れておいた方がいいのかもしれないな。
「何か買って来ましょうか?」
「いや、注文しよう」
「注文ですか?」
ここはホテルなわけで、頼めばいくらでも食事は届く。
でも、一体何を頼むつもりかしら。
「そうだなあ、ウナギはどうだ?」
「いいですねえ、ちょうど明日が土用の丑の日ですから」
「じゃあ、俺が頼んでおこう」
「ありがとうございます」
ウナギなんていつぶりだろう。
楽しみだなと口元が緩む単純な自分がほとほと嫌になる。
私と副社長はアメリカとのウェブ会議のために遅くまで残っていた。
「会議は二十二時からでしたね」
「ああ、それでも向こうは朝の九時だからな」
「そうですね」
朝九時からの国際会議なら早朝出勤して準備をしていることだろうから、こちらが残業になっても文句は言えない。
「その前に腹ごしらえするか?」
「はい」
綾香さんに言われてから副社長との外出を控えている私は、あれ以来一度も食事に同行していない。
でも、会議が二十二時開始となれば何かおなかに入れておいた方がいいのかもしれないな。
「何か買って来ましょうか?」
「いや、注文しよう」
「注文ですか?」
ここはホテルなわけで、頼めばいくらでも食事は届く。
でも、一体何を頼むつもりかしら。
「そうだなあ、ウナギはどうだ?」
「いいですねえ、ちょうど明日が土用の丑の日ですから」
「じゃあ、俺が頼んでおこう」
「ありがとうございます」
ウナギなんていつぶりだろう。
楽しみだなと口元が緩む単純な自分がほとほと嫌になる。